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先日　中学校の時の同級生が亡くなりました

その日　ケーコからの電話を「はぁい　ケーコ〜？」と取ると開口一番

「ヨーコ！びっくりせんでよ？」と言うので

（何かヤダな・・・）と思いながら「うん」と答えると　また同じように

「絶対びっくりせんでよ！？」と言うので覚悟した

（あぁ誰か亡くなったんだ・・・　しかもあの三人のうちの誰か）

三人のうちの　その名前を聞いて絶句していると

「ヨーコ！聞こえてる？」とケーコが言うので「うん・・・なんで」と聞いたら

「がんやったて・・・末期で　もうどうもできんやったらしい・・・

ヨーコ明後日休みやろ？後で連絡するけん！」といって電話が切れた

しばらくして　ケーコから葬儀の案内書みたいな写メが1枚　ぽんと来た

会社から帰って

愛猫うずまきと愛夢が　ごはんを食べているのをお台所でぼんやり見ていたら

電話が鳴って着信を見ると　同級生のシンくんからだった

「シンくん？ケーコから聞いたよ　なんで死ぬ前に早よ教えてくれんやったと」

って　シンくんが喋り始める前に　大急ぎで普通に言うつもりだったのに

シンくんが「もしもし」って言った後「ごめん」と言うので

私は涙で詰まって声が出なくなって　喋る代わりにオイオイ泣いた

自分でも引くくらい　ものすごい声でわんわん泣いた

私が泣いている間　シンくんは黙って待っていてくれて

私が　はなをちーんと噛んでいるときに

「事後報告になってごめん　あいつに絶対誰にも言うなって言われとったけんさ」

「俺とトシオにしか言わんけんって・・・

俺もう年は越せんと思うけど　絶対他に言うなって・・・」

「明け方　ヨメさんに電話もらって急いで行ったけど間に合わんやった」

「お母さんが泣き崩れるとを見たら　たまらんやった」

「入院中はかなりきつかったと思うよ　電話で5分も喋れん日もあったし」

「あいつが　もう家に帰りたい帰りたいて言うけん

先週の金曜に連れて帰って来たばっかりやったとよ　そして今朝やった」

シンくんの話を聞いて返事をする代わりに　私はまたオイオイ泣いた

でも話が終わる頃（ちゃんと言わないと）と振り絞って

「今日までみんなに黙っとくの　シンくんもつらかったね」と

「最後は家族んとこに帰れてよかったね」と「明後日ね」をやっと言って

電話を切った

電話を切った後

（シンくんを責めるようなことを言わずに本当によかった）と思った

多分亡くなった友達が「俺のことでシンが責められないように」って

シンくんのことを守ってくれたんじゃないかなと思った

誰にでも優しい友達だったから

あの時のシンくんの「ごめん」は友達の「ごめん」だったんじゃないかと今は思う

お通夜の日　笑顔の遺影を見たら「イヒヒっ（笑）」と笑う声が聞こえてきそうだった

たくさんのお花を見て　お焼香だけしてケーコと遺影を見ながら

「エラそうにしてるね（笑）」「エバってるね！」と言って　泣いて笑った

棺の中の小さくなったお顔を見たら　観音様みたいな本当に綺麗なお顔をしていた

私は名前を呼んで

「きつかったねぇ　でも頑張ったんやろう？家族んとこにお家に帰れてよかったねぇ」

と声を掛けたら　また涙が出てきた

ケーコも名前を呼びながら「ありがとう〜！ありがとう〜！」と言って

ずーっと泣いていた

チュウガッキーの頃　学校で毎日朝から帰るまでみんなで大騒ぎして

掃除の時間に廊下を走り回って　いつもカムラさんを鬼にしてみんなで鬼ごっこして

体育祭は応援団のリーダーで

へんな応援を考えついて　みんなでお腹を抱えて大笑いして一致団結して

いつもみんなのムードメーカーだった友達

あの頃　みんな笑ってばっかりで楽しかったのを思い出しながら

私は　棺の中の少年に

「そのうちさ！みんなもそっちに行くけんさ！寂しくないやろ？

みんな集まったらまた遊ぼう！！いろいろありがとうね！またね！！」

と言って　遺影を見上げたら

「おう！またね！イヒヒっ（笑）」と友達の声が聞こえたような気がした

私も「イヒヒっ（笑）」と笑って手をふった

yoko.n

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